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「月光草子 ~譚之一、月光症候群~」

3月23日 PM8:50 「HOME」

郊外にある閑静な住宅街、都会の喧騒を背にしながら二人の男が歩いている。
「最近は夜もすごしやすくなりましたね」
会社員然としたスーツ姿の青年は尽。
「そぉかぁ?俺はもう少し涼しい方がいいが」
メタリックな金具や鎖をあしらえたラフな服装の青年はアキトである。
対象的な印象を持つ二人ではあるが険悪な雰囲気は微塵もなく、人から見れば一目で親しい友人のそれと見て取れるだろう。

「ところで・・・」
所在無さげにポケットに手をつっ込み、尽を見やるアキト。
「なんで、俺までついて行かないといけないんだ?おい」
なんとも恨めしげである。
対する尽はそんなアキトの視線を受け流して答える。
「仕方ないでしょう、現状じゃアキトさんしか事の真贋が分からないですし」
「それに女性の一人住まいのお宅へ行くのは、私ひとりじゃ何となく気恥ずかしいもので」
ぽりぽりと頬を掻く尽。
「・・・やれやれだ・・・」
「・・・早く行こう、いい加減手が痺れてきた」
手には大量の買い物袋、何故か恒例となっている食料の差し入れ、
そして"多少"のおつかいの品々。
「にゃろう、みみずくめ・・・」
アキトは('A`)な顔になった。

玄関のチャイムを鳴らすと間もなく、中でガターンと大きな音が響いた後
頭にたんこぶを作り、腰をさすりながらみみずくが出てきた。
一体何が起こったかなどという野暮は誰も聞かない。
「いてて~、今日はいけると思ったんだけどなぁ・・・お二人ともいらっしゃ~い」
むしろ突っ込まない、突っ込みたくない。
「やぁみみずくさん、相変わらずミジンコ程の色気もありませんね('A`)」
「いやですわアキトさんたら、過ぎたるは及ばざるが如し、ありすぎて困ってるんですよ」
「・・・そうですか、そうですね('A`)」
「こんばんわ、みみさん。学校のほうはどうですか?」
「はい、相変わらずですよー、向かうところ敵なしといった感じです」
「それはなにより、それで"彼女"は?」
「ええ、おまちかねですよ。まぁそんなことより・・・」

「うむ、立ち話もなんだからあがらせてもらおうか、そしてメシだ」
アキトが大量の買い物袋を差出しながら言う、背後に"ドドドドド"なんていうどこかで見たような活字が流れているように見えなくも無い。確かにみみずくはそのプレッシャーを感じ取った。

「ヨーシ、みみさん頑張っちゃうZE!さぁさ、おあがんなっせ!」
「食えるもの出せよ」


NEXT EPISODE 2月24日 AM9:30 「確執」

by mimibrog | 2006-03-25 10:33  

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